メッセージ

発起人・副理事長
勅使河原 真実

東京国際ヴァイオリン協会(Tokyo International Violin Society)のホームページへようこそ!

このホームページを見てくださっている皆さんは、きっとヴァイオリンが大好きな方だと思います。私も幼い頃から音楽が好きで、なかでもとりわけ、ヴァイオリンの音色が大好きでした。

まだ電気がなかった16世紀頃の時代に発明されたヴァイオリンという楽器の、驚くべきその構造と形の美しさにも魅了されますし、その見た目の美しさに見合った素晴らしい音質といったら......耳元で囁くような弱音からオペラ歌手の声のように豊かに響き渡る力強い音まで、表現の幅が実に広く、心を奪われてしまいますね!あなたも、ヴァイオリンの素晴らしさに魅せられた仲間のお一人でしょうか?

楽器を演奏するときに何より大切なことは、まず自分が何を表現したいのかを見つける、ということです。遠い国の見知らぬ作曲家がはるか昔に書いた、その美しい音楽に対する共感を持ってこそ、自分でそれを再現することの意味があります。

しかし、その美しさを感じた通りに表現するには、「技術」という裏付けがなければなりません。自分でヴァイオリンを演奏するときに、どれほど美しく芸術的な表現を夢見ても、音程、音質、指の上げ下げ、シフティング、ヴィブラート、ボウイングなどの基礎技術が不十分であったら、自分の心の中にある「美」や「感動」を音にすることができないのです。

正しい基礎技術を身に付けて、自らの意のままに自由自在にヴァイオリンを演奏できたら、なんと素晴らしいことでしょう!

誰でも、最初からいきなり全てをできるわけではありません。ヴァイオリンは簡単な楽器ではありませんから、弾きこなすだけの技術を習得するには本当に苦労します。苦労しているうちに、本来の目的であるはずの音楽の表現や感動が色褪せてどこかへ見えなくなってしまうような気がすることさえあります。

でも、きちんと段階を追って、合理的な練習方法と具体的教材による技術習得をしていけば、きっと心の中にある音楽の喜びを表現することができます。そうしたら私たちは皆、あの素晴らしい音楽の世界を自らが演奏するという形で生涯楽しむことができるのです。

このような想いから、このたび、日本を代表する 3 人の巨匠ヴァイオリニストの先生方をはじめ、多くの方々のご賛同.ご協力を得て、「東京国際ヴァイオリン協会」を設立する運びとなりました。当協会は、ヴァイオリン演奏の基礎技術という側面からヴァイオリン大好きな皆さまを具体的に支援する方法論を確立することを趣旨に活動をしてまいります。

その活動の主要な第一巻として、基礎技術の検定を行うことといたしました。ヴァイオリンの指導に高い定評のある先生方が、長年の経験と研究による知識を全て持ち寄って基礎技術検定の課題を作成しました。

ヴァイオリンを初めて顎と肩の間にかまえる方から音大を受験される方、世界のコンクールに出場される方までを対象とし、全11段階の検定を通じて指導者・保護者・学習者の皆様の道標となり、音楽的表現を可能にする技術全体をレベルアップすることが当協会の目的です。

学習者の皆様は、ご指導いただいている先生とご相談になって、ご自分にちょうど良いグレードから練習して受けてください。

一回でパスできなくても、審査員の先生方からのアドバイスを受けながら再チャレンジすることができるシステムになっています。

曲の方が楽しくてどうしてもサボりがちな基礎の練習に対するモチベーションを上げることができますし、日頃、先生から受けている注意点の大事さを再認識できるはずです。

各レベルにおける実際の譜例を用いた模範デモ演奏は、日本を代表する当代きっての若手ヴァイオリニストである三浦文彰さんにお引き受けいただきました。三浦さんの動画をお手本にしながら、練習してみてください。

会員の皆さま及び受験者の皆様のご意見・ご要望を随時取り入れて、より良いシステムを作り上げてまいる所存です。

皆さま、この検定を利用して技術を高め、大好きなヴァイオリンの魅力をますます満喫していきましょう!

発起人・副理事長
勅使河原 真実